ストレスで眠れない、不眠を解消する3つの方法

眠れないのは、ストレスのせい?

ストレスを感じて「なかなか寝付けない」「眠れない」ということはありませんか?

ストレスが原因の不眠は簡単に治すことができます。
ストレスで眠れない

ストレスで眠れないのは簡単に治る

こんにちは、こころの整体師の藤巻です。

私の治療所にも多くの「眠れない」方が来院しますが、ストレスによる不眠は簡単に治ります。

ストレスによる不眠を解消する方法〜呼吸法・ツボ・快眠体質〜

ストレスで「眠れない」状況になってしまったときは、大脳辺縁系を静めるか、自律神経ホルモンをコントロールするしかありません。(詳しくは別の記事で説明)
大脳辺縁系を静めるには、何か別のプラスになることをイメージしたり(大自然、海辺の波の音など)感動体験を思い出すなどの方法がありますが、ここでは治療家の私がオススメの簡単にできる方法をまとめます。

その1)呼吸法で自律神経をコントロールする

自律神経やホルモンをコントロールするには、体を意図的にリラックスさせることが重要になってきますが、呼吸法は自律神経をコントロールできるので、簡単にリラックスできる方法の1つです。

吐く時間が長ければ長いほど、副交感神経優位に(リラックスした状態に)切り替えることが出来る様になります。緊張した時などに深呼吸すると心が少し落ち着くのは、副交感神経が優位になるからです。副交感神経優位になると、末梢血管の血流量が増し、血流がよくなった結果として筋肉がゆるんで体がリラックスするのです。

ストレス社会で生き抜く「ゆっくり」のススメ

逆に、頑張りたい時には浅くて速い呼吸をして、交感神経を刺激します。呼吸を意識して行うことで、自律神経のバランスが変わり、身体も変化していきます。

私たちは一日中時間に追われ、職場でも家庭でもストレスだらけの生活を送っていて、ただでさえ交感神経が優位な状況で、心身ともに緊張状態を強いられています。

その緊張を解きほぐし、副交感神経を優位な状態に切り替えるには、何事も「ゆっくり」行うことです。
そして、毎日の生活の中で最も簡単に「ゆっくり」できることが「呼吸法」なのです。

では、具体的な呼吸法の手順を見ていきましょう。

呼吸法で眠れるリラックス状態を作る

「吐く」ことでリラックスすることができます。

(手順1)
7秒かけてゆっくりと息を吐く

(手順2)
3秒かけて息を吸う

(手順3)
2秒間、息を止める

(手順1に戻る)
7秒かけてゆっくりと息を吐く

これを2〜3セット繰り返していると
副交感神経が刺激されて、心身ともにリラックスした状態にリセットされていきます。

何事も「ゆっくり」が大切

呼吸だけではなく、毎日の生活の中で、何かをやる時、人と話をするときや、歩いているときもゆっくり」を意識することが大事になってきます。
焦って行動すると交感神経だけが優位(興奮状態)になってしまい、イライラと怒りっぽくなり、血圧が上がって循環器系の病気を引き起こしやすくなってしまいます。

また免疫力も落ちてしまい、風邪などもひきやすくなります。
ゆっくり」を心がけて行動すると、副交感神経が優位に働き、血圧が下がり、血流もよくなり、免疫力の向上にもつながっていきます。

その2)ツボを使った不眠改善方法

眠れない時には、ツボ刺激も有効です。
ただし「不眠」の場合は右指を使って、左足のツボを刺激します。逆をやると眠れなくなってしまうので注意です。

科学的なエビデンスはないのですが、整体業界では「左上半身と右下半身に刺激が入ると交感神経優位になり、右上半身と左下半身に刺激が入ると副交感神経優位になる」という共通認識があります。

そのため、ツボを刺激する場合、左足のツボを使ったほうが効果が高いのです。

左足の内側「三陰交~さんいんこう」

足を通る、3つの陰の経絡(経絡とは「気」や「代謝物質」のの通り道)がすべてそこを通過することから、「三陰交」と名付けられました。

この3つの陰の経絡(足の太陰脾経、足の少陰腎経、足の厥陰肝経)は、生殖器や生殖機能とホルモンの分泌に深い関わりがあって、血液循環や栄養補給、さらには精神、神経活動にも関連していると言われています。

(ツボの場所)
足の内くるぶしゆび4本上あたり、アキレス腱の前にあります。

(指圧の方法)
痛くない程度の心地よい強さで5秒かけてゆっくりと息を吐きながら押していき、
3秒間かけて息を吸いながら徐々に力を抜いていきます。

痛く押してしまうと交感神経が優位になってしまうので、注意してください。
押す力は控え目で充分効果が出ます。

左足の裏「湧泉~ゆうせん」

このツボは「生命の源」「生きる力が湧いてくる泉」とも言われます。

(ツボの場所)
下から親指で足の裏の中心をなぞっていくと突き当たる凹んでいるところ

(指圧の方法)
親指の腹で押しながらお腹から息をフーっと吐いて静かに押し、息を吸いながら離す。
痛みが出ない程度の強さで「5秒間」かけてゆっくりと息を吐きながら圧をかけていき、
「3秒間」かけて息を吸いながら徐々に力を抜いていきます。

適度な弾力を持つ柔らかさになるようにイメージしながら心地よい強さで圧をかけてください。

左足のかかと「失眠~しつみん」

このツボは名前の通り「眠りを失った時に効くツボ」という意味合いで「失眠」と名付けられているほど、不眠を改善するツボと言われています。精神性疾患やうつ症状などを改善する効果もあります。

(ツボの場所)
左足の裏の踵の中央あたりのツボです。

(押し方)
右手の親指で押してあげるか、右手でげんこつを握って人差し指の第二関節を使って押すとよいでしょう。
お腹から息をフーっと吐いて静かに押して、息を吸いながら離します。
痛みが出ない程度の強さで5秒間かけてゆっくりと息を吐きながら圧をかけていき、
3秒間かけて息を吸いながら徐々に力を抜いていきます。
自分が心地よい強さで圧をかけてください。

その3)不眠を改善する生活習慣

不眠を治すには不眠を招いている生活習慣を改善することが効果的です。
取り組みやすいものから実践してみましょう。

38〜40℃のお風呂に約20分浸かろう

人が眠りにつく時、身体の中心の温度(深部体温)が下がります。それは、代謝を下げ、エネルギーを保存したり脳を休ませるためです。

深部体温は、日中の活動時には上昇、夜間になると下降するサイクルを持っていますが、入浴により、深部体温を上げることで深部体温のリズムを正しいリズムに修正する役割があるのです。
具体的には、入浴によって深部体温が上昇すれば、眠りにつく前の深部体温の下降がスムーズになり、自然と寝つきがよくなります。

深部体温は通常37℃くらいですが、この深部体温に対して、風邪をひいた時などに測る温度は「表面温度」と言い、深部温度より少し低めに出てきます。
深部体温の温度を下げるために、表面温度を上げて身体の表面から熱を放出するのですが、眠くなると深部体温を下げようとするので表面温度が上がります。眠くなると手足が暖かくなってくるのはこのためです。

入浴の際の3つのルール
<就寝2時間前に>
入浴は就寝2時間前入浴時に深部体温が上がった後、下がり始めるまで若干のタイムラグがあります。入浴後すぐの就寝では、まだ深部体温が上がっている状態なので、逆に眠りにくくなってしまいます。就寝の2時間ほど前に入浴をすると、丁度良いタイミングで深部体温が下がり始めて自然と入眠できます。

<設定温度は38~40℃
お風呂の設定温度は38~40℃ぐらいが良いでしょう。通常のお風呂の温度は40℃を超えることも多いので、ややぬるいかな?と感じるぐらいの温度がちょうどいいです。刺激が少なくほんのり暖かいお湯は、副交感神経に働きかけ、リラックス効果も高まります。お湯が熱過ぎると、交感神経が働き、興奮状態になってしまいます。そうすると寝たくても寝れないといった状況になってしまいます。なので、ややぬるいお湯に遣ってリラックスしてください。
<入浴時間は20分くらい>
入浴時間は20分ぐらいちょうど良いです。深部体温を上げる為にはややぬるいお湯に15〜20分浸かるのがベストです。

夜間の運動や寝る前の食事は避ける

夜間の運動は、寝つけなくなってしまいますので、たとえ軽い運動であっても夜間に行うのは良くありません。
ウォーキング、ストレッチなどの有酸素運動は、入眠2時間前に行なうとよいでしょう。なぜなら運動の2時間後に体温が下がるからです。

眠りに入るときは、体温が下がる仕組みなので、寝る2時間前は、行ったとしても軽いエクササイズ程度におさえ、筋トレなどの強い運動は避けるべきです。なぜなら、筋トレなどの無酸素運動をしてしまうと、2時間後にうまく体温が下がらないからです。筋トレをすると3時間以上たたないと、体温が下がりません。

夜間や寝る前に食事を取ると、これから休もうとしている消化器官を再び働かせることになり、眠りを妨げてしまいます。
逆に、睡眠時に空腹な状態だと、消化のためのエネルギーを必要としない為、血流が脳に集中してしまい興奮状態になって逆に寝付けなくなってしまいます。
なので、睡眠のことを考えると、食事は就寝3時間前までに済ませる事が大切になります。
お腹の中の食べ物はおよそ2~3時間で消化されます。

昼夜のメリハリをつける

日中になるべく身体を動かすことを心がけて、昼夜のメリハリをつけることは快眠に効果があります。
例えば、運動をして適度に肉体的疲労を感じることは、心地よい眠りを生み出します。

そこで、不眠で悩む方におすすめなのが、日中に体に負担がかからない程度に、ウォーキングジョギングなどの有酸素運動を行うことです。

実際に、藤巻治療所でも「眠れない、眠れない」と必要以上に訴える若い患者さんがいたので、治療を中断して、私と一緒に10キロ走ってもらいました。次の日に「凄く良く眠れました」と電話で報告を受けました。

休日だからといって、生活パターンを変えない

快眠は規則正しい睡眠習慣から生まれます。どんなに健康的に運動したり、バランスの良い食事を心がけても、布団に入る時刻が毎日ばらばらであれば、快眠は得られません。

上記のように身体の中には体内時計があり、睡眠のタイミングを決めるだけではなく、ホルモンの分泌や生理的な活動を調節して、睡眠の為の準備をします。これらの準備は自分の意志ではコントロールすることが出来ません。

規則正しい生活こそが、体内時計を整え、快眠の為には必要なことなのです。休日はダラダラと寝坊せず、生活パターンを一定にしましょう。

例えば、生活のパターンを一定にする為に、3食の食事は重要な要素です。朝食からしっかり食べて、日中に身体を動かす上で必要なエネルギーを十分に補給するようにします。

寝室や寝具など、眠れる睡眠環境に

寝室、寝具を始め眠り易い環境を作るように心がけます。
例えば、アロマテラピーは効果的です。鼻から入った匂いは、脳の嗅覚野に届きますが、途中で大脳辺縁系を経由します。
そのため興奮した脳をゆったりリラックスさせる効果があるわけです。

睡眠時間にこだわらない

早くに目が覚めてしまったら、思い切って起床してしまい早朝散歩や本を読んだりします。
90分の倍数が睡眠時間の目安ですが、睡眠時間にこだわることで逆にプレッシャーを与えるのはよくありません。

簡単にできる不眠解消の食事

ホルモンをコントロールするには適切な食品を摂取することでカバー出来ます。
睡眠にとって重要な役割を果たしている成分に、トリプトファンというものがあります。トリプトファンは必須アミノ酸の1つです。

『必須』アミノ酸というものは、人が体内で作り出すことができないアミノ酸です。
なので、食品やサプリメントなどで摂取する必要があります。

トリプトファンという必須アミノ酸は、質の良い睡眠を得る為には食品やサプリメントからとっておきたいものです。

<トリプトファンが良質な睡眠にとって必要なわけ>

トリプトファンは体内に入ると、消化吸収されて、血液に乗って脳内にたどり着きます。そして、トリプトファンは脳内でセロトニンの原料となります。

セロトニンは良質な睡眠には欠かす事の出来ないホルモンです。セロトニンは気持ち落ち着けるリラックス作用があり、セロトニンが不足すると不眠症になりやすくなってしまいます。

さらに、セロトニンはメラトニンの原料になります。夜になるとメラトニンが脳内で分泌されます。
メラトニンは睡眠物質と呼ばれているもので、メラトニンが正常に分泌することが、快眠には非常に重要なことなのです。

トリプトファン → セロトニン → メラトニン → 快眠!!

トリプトファンは脳内でセロトニンなり、セロトニンがメラトニンに変化を起こすので、結果的にトリプトファンが睡眠にとって重要なアミノ酸ということになります。

実際に食事でトリプトファンの摂取量が多い人のほうが、寝付きも寝起きもよいという実験結果も出ています。
尚、タンパク質には動物性(魚、肉、卵、チーズetc)と植物性(大豆、豆類、穀類etc)のものがありますが、動物性よりも植物性のタンパク質のほうが脳内でセロトニンの材料として利用されやすいと言われています。そして、トリプトファンが体内に消化吸収され、セロトニン、メラトニンに変化する時間を考慮に入れると、トリプトファンは朝食で取るのがベストです。

大量のアルコールやタバコに頼らない

ストレスで「眠れない」からといって、アルコールを大量に飲んだり、タバコを吸ったりすると一時的には効果が出ることもありますが、根本的な改善にはなっていません。結局は途中で起きて眠れなくなってしまいます。

基本的にお酒を飲むと、質のいい睡眠ができなくなります。しかし、少量のお酒なのであれば、逆にストレスを緩和してくれる効果もあります。
お酒を飲んで楽しい気分になるのは、楽しさや心地よさを生み出す「ドーパミン」という神経伝達物質が脳内から分泌されるからですが、ドーパミンが分泌されるのと同時に、通常は「楽しい」という感情を過剰にしないための抑制性脳内物質「GABA(ギャバ、γ-アミノ酪酸)」という物質が脳内に分泌されますが、お酒はこの抑制性脳内物質の働きを弱くする作用があるので、より気持ちが盛り上がりやすくなります。

また、お酒にはドーパミンと一緒に「セロトニン」という物質も脳内に分泌させます。「セロトニン」には、不安や恐怖、心配と言ったネガティブな感情を抑える効果があるので、ストレスを抑える働きがあると言われています。そのため、お酒は少量にするのがベストです。

その他にも、心拍血圧を上げる「副腎皮質ホルモン」や「ノルアドレナリン」などの分泌を抑える効果も判明しています。
なので、お酒は楽しい気持ちになってリラックス出来るのと同時に、ストレスや緊張から解放してくれる良い効果もあるのです。
何度も言いますが、飲み過ぎはよくありません。

実践して、実際に効果があったら、気軽にメッセージをくださいね。

こころの整体師 藤巻由崇